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若手お笑い芸人必見!現役芸人が教えるアルバイト選びのポイント7選

連載
公開日:2021年3月4日

執筆:東大卒芸人 山口おべん

1988年生まれ。私立開成中学校・高等学校、東京大学文学部言語文化学科言語学専修課程卒業。W東大卒コンビとして「アメトーーク!」など番組出演。 2020年1月から、コンビで自身のみエージェント制を選択。芸人になった動機はいくつかあるが、一番は「モテたかったから」。

芸人になるにあたり、大きな選択が3つあります。
1つ目は事務所選び、2つ目は相方選び、そして3つ目はバイト選びです。

「バイトがそんなに大事?」と思いました?売れる前の芸人が最も長い時間を過ごす場所がバイトであり、どんな習慣が身につくかはバイト次第と言って過言でないのです。

まして、若手芸人は基本的に赤字ですから、収入源の安定は芸に邁進する近道にもなります。
(芸人の給料は過去の記事で詳しく書かせていただき、各所から心配のご連絡を頂きました)
ぶっちゃけ、お笑い芸人の給料っていくら?現役芸人が語るお金の話

どんな条件で選ぶのがいいか、7つ書いていきます。



若手お笑い芸人のアルバイトの条件① 《必須》替えが利く


というとネガティブですが、「急に休める」ということです。お笑いは仕事やオーディションが急に入ったり、時間が当日確定・変更になったりが日常茶飯事です。しかも、大人数のスケジュールが関係するため、「お笑いの別の仕事」以外の理由は聞いてもらえません(緩和されつつありますが、使い勝手が悪いと思われるおそれ)。バイト先の大黒柱にはなってはいけません。

具体例:
とにかく大人数のところ

若手お笑い芸人のアルバイトの条件② 《必須》芸能に理解がある

いくら替えが利いても、急に休みすぎると信用を失います。芸能に近い業種や、バイトに芸能系が多いところは事情を理解してくれます。また、芸人はバイト先で無茶ブリされがちなので、その辺も理解があったり、単純に的が多くて分散する(?)ため助かります。

具体例:
イベント系、芸能人が経営する店

若手お笑い芸人のアルバイトの条件③ 《必須》特別な勉強が必要ない

バイト中の芸人にとって大切なのは、「いかに省エネするか」です。芸人活動に力を温存しておかなければ本末転倒。日々作業が変わり、時間外まで勉強が必要なバイトは向きません。後に書くように、身についたスキルが武器になる場合はありますが、何にせよ負担にならず続けられることが大切です。

具体例:
マニュアルが確立された大手チェーン店、工場などの単純作業

若手お笑い芸人のアルバイトの条件④ 《理想》自由な時間がある


特に管理系のバイトだと、人が来なければやることが少なく、考え事や簡単なネタ作りができる場合があります。こういった仕事は深夜のものが多いため、昼間のお笑いの仕事に対応しやすいのも利点です。ただ、 “テッペン超える”ことのある業界なのと、先輩方との酒の席の付き合いは難しくなります(逆に断る理由にもできます)。

具体例:
深夜受付、警備、マンションの管理人、深夜カラオケ(練習などに部屋を融通してもらえる場合も)

若手お笑い芸人のアルバイトの条件⑤ 《理想》急に出勤できる

「急に休める」が重要でしたが、逆も然りです。急な仕事や付き合いが虫食いのように入る一方、それを見越してシフトを入れまくると翌月フル出勤できるのはなぜでしょう。気を揉まなくて済むならかなりの利点です。ほぼほぼ水商売系だと思いますが、知人の役者兼薬剤師さんも急に出勤できると言っていました。

具体例:
会社やお店による(水商売が多いと思う)

若手お笑い芸人のアルバイトの条件⑥ 《理想》スキルや芸風になる

特定のジャンルに特化した芸人は強いです。そういう人たちは私生活を捧げています。バイトの長時間こそ、そうした知識・スキルの習得に活用すべきで、裏事情も分かります。新しいものや時代に合ったものは大々的に取り上げられる機会があるので、先見の明に自信があればオススメ。ただし、バイトでできるようなことは競合も多いのと、時間がかかる覚悟は必要です。

具体例:
Uber Eats、清掃(話題の方は正社員ですが)

若手お笑い芸人のアルバイトの条件⑦ 《理想》単純に時給が高い


お笑いに割ける時間が増えるのが一番。加えて、衣装やフリップが安物だとウケるものもウケないので、ケチケチしない精神的余裕も大きいです。もし資格を持っている場合、たとえば医師免許を持っている芸人さんは、時給4000円のバイトを週3日すれば十分だそう。水商売系は、しゃべりに「水商売の匂いがつく」ことは注意です。

具体例:
資格を生かせるバイト、「○○バー」など水商売

最後に:別の選択肢も

さて、筆者はこれらを考慮に入れたうえで、何のバイトをしているでしょう?実は、現在はバイトはしていません。芸人活動と兼業で、会社員としてプログラマーをしています。

正直、誰にでもオススメはできません。スキル次第で両立しやすい業種ですが、今はお笑い少なめです。昨年、母校の高校の替え玉問題の際に、某有名帯番組からオファーを頂いたのが前夜で、泣く泣くお断りしたこともありました。

僕も、過去には芸能系のお店や教育系のイベンターなどのバイトをしました。ただ、お笑いという「価値が漠然としたもの」を続けて売れなかったとき、あるいはもしやめる日が来たとき、何も残らないなと。なら、最低でもこれぐらいは人と違おう、そして確実な武器を増やそう、と。

今回書いたアルバイト選びのポイントは全て本音で、売れるための最短ルートはこちらだと思います。ただ、今後は兼業や新たな選択肢も増えるでしょうから、頭の片隅に置いておくのも悪くないでしょう。

執筆:東大卒芸人 山口おべん

1988年生まれ。私立開成中学校・高等学校、東京大学文学部言語文化学科言語学専修課程卒業。W東大卒コンビとして「アメトーーク!」など番組出演。 2020年1月から、コンビで自身のみエージェント制を選択。芸人になった動機はいくつかあるが、一番は「モテたかったから」。