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若手必見!仕事やブレイクに繋がるお笑い芸人におすすめの「趣味」とは

連載
公開日:2021年6月4日 更新日:2021年6月7日

執筆:東大卒芸人 山口おべん

1988年生まれ。私立開成中学校・高等学校、東京大学文学部言語文化学科言語学専修課程卒業。W東大卒コンビとして「アメトーーク!」など番組出演。 2020年1月から、コンビで自身のみエージェント制を選択。芸人になった動機はいくつかあるが、一番は「モテたかったから」。

芸人にとって「ネタ」が名刺代わり。ネタ作りがあらゆる活動の基本。

…という時代は、少し古いかもしれません。

もちろん、ネタや話芸は大切です。けれど、それだけでブレイクするのは難しい時代になりました。逆に、趣味が仕事のチャンスやブレイクのきっかけになることは一般的になりました。

「何でも仕事に繋がる」のは芸人の特権です。特に、今から趣味を始めようとしている芸人さん・芸人志望の方は、参考にしてチャンスを掴んでください。



芸人におすすめの趣味①:マンガ・アニメ・ゲーム

近頃、芸人がマンガを紹介するコーナーやゲームをプレイする番組をよく見かけませんか?これらは作品に熱烈なファンがいるため、仕事に繋がりやすいです。

ジャンルの裾野も広く、近年は声優さんが音楽やバラエティーに進出したり、「コスプレイヤー」「プロeスポーツプレイヤー」など新しい職種が定着したり。芸人もそこに様々な関わり方ができます。

作品紹介はもちろん、同人誌を描いたり、コスプレやモノマネをしたり、ゲーム実況をしたり。ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」で、ドンキーコング使いでは世界ランク最上位の「世界最強のドンキーコング」も芸人さんだったりします。

吉本でも、「マンガ『○○』に詳しい人」や「ゲーム『○○』が得意な人」といった募集は定期的にあり、チャンスは多いです。ただし、ゲームを続けたいばかりに、誰も見ないゲーム配信を「仕事だ」と言い張る芸人にはならないでくださいね。

芸人におすすめの趣味②:グルメ

食欲は三大欲求の1つ。食には多くの人が関心を寄せています。とあるグルメ系インフルエンサーさんも、「いいねが多い投稿が集中していたのがファッションとグルメだったから、グルメを選んだ」と言っているぐらいです。

ライバルも多いので、ジャンルに特化した方が成功する印象です。「肉」とか「スイーツ」とか、ラーメンの中でも「二郎系」とか。あとは「激辛」と「大食い」は数字が伸びるので、「○○皿完食」みたいな分かりやすい記録があると、売れだしたときに番組に呼ばれます。

撮影許可とマナーさえ守れば、権利問題が少なくYouTubeを始めやすいジャンルでもあります。ゲストを呼んだり、チャンネル同士でコラボしたりもしやすいです。1日3食がある程度決まってしまいますが、食費を堂々と経費に計上できるのは最高ですね。

芸人におすすめの趣味③:アウトドア

ここ数年で便利グッズが増え、ライトな層でも簡単にアウトドアを楽しめる時代になりました。コロナ禍で密を避けられるアクティビティとして、さらに人気が高まっています。

特に「一人キャンプ」は、芸人がブームを牽引したと言われていますね。グルメの要素や、最近はおしゃれなウェアも揃っているので、「映え」も期待できます。

道具一式をそろえて、理想は車を持って…とするとややお金はかかりますが、日常生活に使えるものも多いので、損はない趣味です。ちなみに、芸人ばかりでBBQに行くと、必ず何人か飲食店バイトがいるのでおいしいものが食べられますよ。

芸人におすすめの趣味④:スポーツ

大きく2つのパターンがあります。競技経験や大会実績があると、体力系企画も含めて幅広く呼ばれます。一方で、ほとんど観る専門でも、あるあるネタや選手人脈がすごくて仕事になっている人もいます。

競技は重要で、たとえば王道の野球なら仕事全体は多いです。けれど、有名解説者やアイドルと同じ土俵に立つうえに、芸人にも「甲子園出場」「父が元プロ野球選手」などがゴロゴロいます。逆に、マイナー競技だと頑張れば日本代表になれます(モルックなど)。ただ、その競技自体の仕事は少ないため、お笑いで評価されたうえでは武器になる、という感じです。

そこまでガチじゃないよ、という人。芸人草野球チームやバスケットボールは先輩と仲良くなるチャンスなので、間接的にプラスになります。スポーツマン特有の笑いやすいキャラクターは、劇場で上に行く芸人にも多いですね。

芸人におすすめの趣味⑤:大道芸

かくし芸や大道芸は昔からTVを彩ってきましたが、時代は今の方がマッチしているかもしれません。言葉を使わない芸は万国共通。スゴ技動画がバズれば世界中に拡散され、海外のオーディション番組で評価されるケースも増えています。

漫才に組み込んだり、プロジェクトマッピングと組み合わせたりと、多様な見せ方も今風。バルーンアートなどは営業に繋がりやすく堅実な一面もあります。

たゆまぬ練習は楽ではないと思いますが、身につけた技術はどんな場でも評価される、まさに「芸」。難点をあげるなら、2~3分の出番でも2泊3日の旅行の荷物量になることでしょうか。

芸人におすすめの趣味⑥:ギャンブル

競馬・競輪・競艇などギャンブルの番組は意外に多く、枠は多いです。何より、芸人になること自体がギャンブルなので、芸人とは相性がいいジャンルです。

実は、僕も数人で競馬予想YouTubeをやっているのですが、分かりやすいことに大穴を当てると登録者が増えます。連続的中を続けていると再生回数が増えます。ギャンプラーは予想の参考に多くの情報を見ようとするので、強力なライバルがいても意外と回遊して見てくれます。

ただし、的中が全てなので、知識量や熱量だけでは評価しにくく、結局TVなどのキャスティングは知名度で決まってしまう面はある気が。僕らは収益化できていないので「仕事をしてお金が減る」状態ですが、いずれ「お金を使ってギャラがもらえる」ようになるのが夢です。

趣味を仕事につなげるためには、ぜひ「誰もやっていないこと」を

ここまでの話は何だったんだという感じですが、少し考えてみてください。

あなたがもし、とあるテーマでキャスティングをするなら、「売れていないが、テーマに詳しい芸人」と「詳しさでは劣るが、売れている芸人」のどちらを選びますか?現実は往々にして後者が使われます。だって、詳しいだけなら専門家や職人さんがいるわけで、芸人を呼ぶからには話術やアイコンとしての役割が求められるのです。

もちろん、世の中の人に関心を持ってもらう必要はあります。なので、メジャーなジャンルの中で「誰もやっていない」細かいことでも良いのです。この記事を参考にしつつ、ここにないオリジナリティーを見つけてもらえたら最高です。

執筆:東大卒芸人 山口おべん

1988年生まれ。私立開成中学校・高等学校、東京大学文学部言語文化学科言語学専修課程卒業。W東大卒コンビとして「アメトーーク!」など番組出演。 2020年1月から、コンビで自身のみエージェント制を選択。芸人になった動機はいくつかあるが、一番は「モテたかったから」。