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これを読めば芸人になるのが怖くない!みんながお笑い芸人を目指すきっかけ

連載
公開日:2021年11月17日

執筆:吉松ゴリラ

SHUプロモーション所属。宮崎大学大学院主席。もともとコンビで活動していたが、解散後ピンへ転身。「激レアさんを連れてきた。」「新春おもしろ荘」「ガキの使いやあらへんで!」「ウチのガヤがすみません!」など多数出演。

今年に入って多くのお笑い番組が始まり、TVで若手芸人を見かける機会も増えてきた。
そんな時代に後押しされ、「芸人になりたい!」と思う人も多いと思うが、いざ現実にその道を歩き出せる人は少数派ではないだろうか。

今でこそお笑い芸人の地位は向上したが、それでもかなりの特殊な職業であり、芸人を目指すという事は非常に心理的障壁が高い。

今回のコラムでは、
・NSC生が芸人を目指したきっかけ
・実際10年芸人をやっている、吉松ゴリラが芸人を目指したきっかけ
を紹介している。

芸人になろうか迷っているみなさんの多くは、そのルートとしてNSCなどの養成所に入る事を考えているのではないだろうか。
ならば実際にNSC生がどんなきっかけで芸人への道を歩みだしたかという情報は、みなさんが足を踏み出す際の良い判断材料になると思われる。

是非、最後までご一読頂きたい。

NSCの人々とその動機

ここでは簡単に、NSCの人々をいくつかのグループに分け、各グループの動機の紹介をする。
グループごとに目指すきっかけが異なり、またこのグループに所属する人間は、NSC内でも同属と固まって行動するケースが多い。

【NSCに存在するグループ】
・高卒〜大卒組
・脱サラリーマン組
・超特殊技能組
・おもしろくなりたいから芸人になる組
・即リタイアの謎を残す組

高卒〜大卒組

数的には一番多い。ぼくの代のNSC(東京NSC16期)で言うと7〜8割の人口を誇る。もともと芸人に憧れを持つ人間が多く「お笑いが好きだから、芸人になる」という非常にシンプルな理由でNSCに入学する。

夢と希望とバイトとコンパを好み、芸人人生を謳歌する。また、年齢的にもやり直しが効くため、一度芸人を辞めた後、放流されたシャケの如く出戻りで芸人界に帰ってくる者も多い。

脱サラリーマン組

このコラムを執筆している吉松ゴリラ同様、社会の荒波にもまれ、惨敗を喫した後に芸人を志す人々。「もともとお笑いが好きだったが、就職のタイミングで踏ん切りがつかなった」という回顧タイプと、「社会人が辛すぎて、なんか芸人って楽しそうでいいなと思った」という、そんなんだから社会人失敗するんだよタイプに別れる。けど芸人としてがんばれば無問題。

脱サラリーマン組は基本的に腹の括り方が尋常じゃなく、あの頃に戻りたくないという気概が異常。基本、同期のネタを見る目がキマっている。

超特殊技能組

ジャンル的には脱サラリーマン組と同じだが、一括りにはできないほどの特殊技能・経験を持った人々。年齢的には、数年実務経験を積んだ20代中盤から50代と幅広い。

ざっくりと紹介しつつ仕分けすると、まずは医師免許保有者・元弁護士・元税理士・元薬剤師・現役社長など、地位や名誉が欲しくて芸人になる人間からすれば上がりじゃねーかという人種。
彼らの動機は「1度やってみたかった」「1度しかない人生なんで、後悔したくなかった」など、やはり上がりの人間的な動機が多い。ちなみに芸人になっても、芸人をやりつつその特殊技能を活かした仕事を兼務する事が多い。

次に元傭兵・元自衛隊・元Jリーガー・元歌舞伎町NO.1ホストなど、今までの人生で出会った事がないぜという特殊な人生を歩んでいる人種。
彼らの動機は基本「もともとお笑いが好きだった」というシンプルなものだが、その一方で「なんとなく」という感覚的な意見も多い。あと、変わった人が多いのが特徴。

そんな特殊なヤツはなかなかいないだろと言われればその通りだが、しかし、必ず1学年に2桁くらいの人数は紛れ込む。少ないといえば少ないし、多いといえば多い。
芸人の世界とは、日本中の変わり者が集まる場所なのだ。

おもしろくなりたいから芸人になる組

「おもしろいから芸人になる」ではなく、「おもしろくなりたいから芸人になる」という0から始めるタイプの人々。
年齢層は様々でそれまでの経緯も様々。元社会人から元ひきこもりまで、そのジャンルはバラエティに富む。

この方々はやる気次第で伸びもするし、辞めもする。割合的には辞める人口が多い。
ちなみに、「様子見」と称してネタ見せの授業を後方から眺め、1度もネタ見せをする事なく辞めていく「辞める人間あるある」というものも存在する。

即リタイアの謎を残す組

NSC入学金40万円(当時)を支払った後、秒速で芸人を辞める人々。中には、入学金を支払った後、1度もNSCに現れる事なく辞める猛者も多数。

「いやそんなヤツら少数派でしょ」と思われるかもしれないが、ぼくの代だと入学者900人中300人が3ヶ月以内に辞めた。フリーメイソンの陰謀説も流れるほど多くの謎を残す、NSCのUMA的存在。

吉松ゴリラが芸人を目指したきっかけ


ぼくは先程少し触れた通り、脱サラリーマン組である。
ぼくが芸人を目指したきっかけはシンプルで、サラリーマン生活がおもしろくなかったからだ。

では、どんな人間がどんな経緯でサラリーマンを辞め、芸人を目指したのか。

以下、簡単にご紹介する。

少年期

割と厳格な親の元に育てられる。父親の家系は、そのほとんどが教師。幼稚園に通う頃から、お前は将来医者か弁護士、もしくは上級官僚になれと口癖のように言われ続ける。

当然そのための教育も行われ、小学校3年生の頃から塾に通い、土日も父親つきっきりで勉強。
TVをほとんど見ないまま育つ。

中高生時代

あまりTVを見ていないので、お笑い芸人という存在を知らない。しかし、人を笑わせるのは好き。ウケてる。めっちゃウケてる。ふふ。

ただ人気者という訳ではなく、クラスの端っこ。けど不思議とクラスや学年をまたいで、ヘンなヤツがいるとその存在を知られていた。謎。

大学生時代

大学生になって親元を離れ、初めてお笑い番組を見る。20才にして初めて明石家さんまさんを知った。

もともと笑いは好きだったので、どっぷりハマる。
大学生で時間があった事もあり、1日30時間は見ていた。1日24時間の時間軸を歪めるほど、本当にそのレベルで見る。

当時、YouTubeなどはなく、お笑いはTVで流れるものとビデオ(DVDではなくビデオ)が全て。
その数少ない情報の中、色んな芸人やお笑い番組についてまとめているHPを探しては、毎夜毎夜ネットで見て回る毎日。

この時代のワクワクは今でも覚えているほど。HPが今日は更新されているかもと、1日何度も何度も確認しにいっていた。
ちなみに、ぼくのコラムは全て、お笑いが大好きだったその頃のぼくに向けて書かれてる。

異常なほどお笑いを見たので、1年半で全て見尽くす。当時やっていたバラエティ番組は全部録画し視聴、過去に遡って手に入るVTRも全て視聴。ラジオ番組もその過去ログも全て聞いた。全て飽きるほど。いや、飽きないんだけど。

就職活動の時

これだけお笑いの世界にどっぷりだったが、子供の頃からの厳格な教えにより、「芸人」という職業は全く別世界に感じていた。

一般の人の感覚で言うと、「世界中のあちこちに飛んで、世界各国の戦争に参加する傭兵」という職業と同列。そんな職業がある事は知ってるけど、異世界すぎてハナから「なるもの」という考えがない。
そのため、普通に就職。

サラリーマン時代

就職先で、全く笑ってなかった。愛想笑いは多かったが、心から笑える事は、1年に数えるほど。それが死ぬほど辛かった。
その生活があと40年も続くかと思うと、1度しかない人生で晩年後悔すると感じる。

そして、3年間の会社勤務を経て、芸人になる。

お笑い芸人を目指すきっかけの深掘り

割とこういう経緯を人に話すと、ぼくが芸人を目指した動機に、「厳格な家庭環境による少年時代の反動」とか「きつかった社会人時代の反動」などを当てはめられがちだが、そうではない。

動機は非常にシンプルで、お笑いが好きだったからだ。そして、その「お笑いを仕事にする」という世界に憧れたからだ。先程、実際のNSCの人々の動機も上述したが、どのグループでも動機の前提は「お笑いが好き」である。

個人的には、「お笑いが好き」「芸人になりたい」と思ってる人は1度芸人をやった方が良いと思う。
本気で「芸人になりたい」と思うほどお笑いが好きな人間は、その経験をしないと、1度しかない人生のどこかで後悔するんじゃないかと感じる。

ぼく自身、就職活動の時に「芸人」という選択肢を選ばなかった経験があるので、心理的障壁が高いのは分かっているが、芸人にはわりと簡単になれる。

NSCなんかに通わなくても、フリーのライブハウスで1度でもネタをやればその日から芸人だ。
学生生活を送りながら、社会人をやりながら、1年くらいやればいい。

それでその芸人の生活を気に入れば、改めて養成所にはいるなり、事務所のオーディションを受けたりすれば良いと思う。

ちなみに、芸人の世界は最高だ。
ぼくが芸人として過ごしてきた10年の間に、色々な芸人が辞めていった。もともと900人いた同期のうち、今残っているのは100人もいない。しかし辞める人間から「芸人やらなきゃよかった」は一度も聞いた事がない。

詳しくは「お笑い芸人の仕事の楽しさ・やりがいとは?芸人を10年やって良かったこと」に記載しているので、是非、ご一読願いたい。

まとめ

今回は、芸人になるきっかけをお話しさせて頂いた。
きっかけと言っても、1000人いれば1000人のきっかけがある訳で、あくまでざっくりとお話しさせて頂いた。

しかし、やはりほとんどの人間にとっての動機は「芸人になりたいくらい、お笑いが好き」という事である。
この動機が強い人間が、この世界でもしぶとく残っている気がする。

是非、同じ気持ちの方は、芸人の世界に足を踏み入れてはいかがだろうか。

今回のこのコラムが、みなさんのお役に立てれば幸いだ。
ご一読、有難うございました。

執筆:吉松ゴリラ

SHUプロモーション所属。宮崎大学大学院主席。もともとコンビで活動していたが、解散後ピンへ転身。「激レアさんを連れてきた。」「新春おもしろ荘」「ガキの使いやあらへんで!」「ウチのガヤがすみません!」など多数出演。