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お笑い芸人が売れる可能性は0.1%?売れる確率とブレイクまでの5ステップ

連載
公開日:2021年6月30日

執筆:吉松ゴリラ

SHUプロモーション所属。宮崎大学大学院主席。もともとコンビで活動していたが、解散後ピンへ転身。「激レアさんを連れてきた。」「新春おもしろ荘」「ガキの使いやあらへんで!」「ウチのガヤがすみません!」など多数出演。

みなさんこんにちは。
芸歴10年目。地元に友達がいない、吉松ゴリラです。

今回のコラムでは、お笑い芸人が売れる可能性についてお話しします。

『お笑い芸人が売れるのは難しい・・』
この言葉は、このコラムを読んでいる方ならどこかで聞いた事があるのではないでしょうか。

ぼくが吉本興業のお笑い養成所に通っていたころ、講師の人にこう言われました。

「今年入った養成所生の中から、3人売れたら黄金期と呼ばれるから」

ちなみにその年の養成所生(東京校)は全部で約900人いました。
それほど芸人で売れるという事は厳しい事です。

それから10年が経ち、その講師のセリフの答え合わせができる時期になってきたと思います。
実際にその講師が正しかったのか、それとももっと同期は売れているのか。まずは答え合わせをしてみたいと思います。

単純計算でお笑い芸人として売れる可能性はどれくらいか?

ぼくは東京NSC16期生です。大阪でいうと、大阪NSC33期が同期となりますね。

ぼくが入った時期は爆笑レッドカーペットやエンタの神様などお笑いブーム絶頂の時期で、芸人志望もかなり多く、東京・大阪NSCを合わせて約2000人が同期でした。

「売れる」の基準をどこに置くかによって答えは変わってきますが、一般的に「売れる」というと、全国ネットで番組レギュラーを持っていたり、ゴールデン番組によく呼ばれてひな壇に座っていたりクラスの芸人の事だと思います。

まずはWikipediaで調べて、目立った芸人を上げていきます。

【東京NSC16期】
・しゅんしゅんクリニックP
・ゆにばーす
・ランパンプス
・サンシャイン
・スクールゾーン
・やさしいズ
・ダンビラムーチョ
・キンボシ
・バビロン
・カラタチ
・鈴川詢子 …etc

【大阪NSC33期】
・コロコロチキチキペッパーズ
・ビスケットブラザーズ
・滝音
・紅しょうが
・ニッポンの社長
・マユリカ
・男性ブランコ
・しゃかりき
・ZAZY …etc

※敬称略
※Wikipedia掲載順

お笑い好きならこの辺りはみんな知っていると思いますが、全国的な知名度ということで言うと4、5名ではないでしょうか。
また、先ほどの定義に照らし合わせると、全国的に「売れている」といえるのはコロコロチキチキペッパーズさんくらいだと思います。

どうやら講師の方は正しかったようですね。

そうすると、ぼくの期で売れる確率は下記の通りになります。
2人(コロコロチキチキペッパーズさん) ÷ 2000人(東京・大阪NSC生) = 0.1%

かなりの狭き門ですね。

ちなみに、あくまでこれはぼくのNSC同期のみの話で確立を出しています。

「吉本興業のNSC」という括りを外せば、霜降り明星さん、ハナコさん、カミナリさんなんかも同期になりますし、他の期で確立を出すとまた違った数字になると思います。

また大阪は、「全国には出ていないけど大阪内でめっちゃ売れて人気者」など、お笑いに関しては独自の文化があるため、十分に芸人で食べれてる人も多いです。

ただいずれにせよ、そう高い確立にはならないでしょう。

お笑い芸人として売れるステップ

芸人になっておもしろかったからといって、いきなり爆売れする訳ではありません。大まかではありますが、いくつかステップがあります。

養成所で選抜に入る

正直、養成所の選抜はそれほど売れる・売れないに関係はしてきませんが、お笑い好きの方で気になる人もいると思うのでざっくりとお話しします。

東京NSC16期の場合、約900人が同期として存在します。
最初は画一的な授業を行いますが、夏頃を境に、各講師ごとに選抜クラスというものが設けられ、クラス分けされます。

主にネタ見せで振り分けは行われ、ここで選抜に入ると、その講師の特別授業を受ける事ができたりと、より内容の濃いアドバイスを受ける立ち位置に着け、周りのライバルに差をつけられます。

そしてNSCの卒業公演でいい結果を残せば、次の事務所ピラミッド戦で少し上の位置からスタートする事ができ、今後の戦いが有利になります。

ちなみに大阪だとキングコングさん、東京だとオリエンタルラジオさんがNSC時代から爆売れしたという伝説がありますが、これは異例中の異例のため、あまり参考にされない方が良いと思います。

事務所ライブのピラミッド昇り

ここからが売れる・売れないの戦いのスタート地点です。
なぜピラミッドを登るかというと、まずは自分という芸人がいる事を事務所に知ってもらうためです。

事務所によりますが、大手事務所では「若手芸人全員を1人の担当者が管理してる」なんてザラです。
今はどうかは分かりませんが、ぼくの時代は売れていない約1000人以上の芸人(もしかしたら2000人以上いたかも)を、1人の若手班担当者が見てました。

当然、芸人全員のパーソナルな情報を知り尽くせるわけはなく、有象無象の雑魚芸人のほとんどは、担当者に顔も知られていません。
しかし、これは担当者が悪いわけではないのです。知られない芸人側が悪いのです。

そのため、自分という芸人がいること、どういうネタをするのかが担当者に見える位置まで、ピラミッドを登るのです。

ちなみに、ある程度ピラミッドの上にいないとオーディションすら回ってきません。
オーディションに行けないという事は「売れるチャンスがない」と同意義です。
このチャンスを一度も手にする事なく、やめていく芸人も多いです。

TVオーディション

ピラミッドの上に行くと、TVオーディションをふってもらえるようになります。ここで合格すると、いよいよTVでネタ披露をする事ができます。

しかし、番組にもよりますが、その合格率はよゆーで10%を切ります。
しかも相手は「いやこの人ネタ番組で結構見るぜ」レベルの先輩芸人たち。そこに打ち勝たなければなりません。

キャリアのない若手芸人は、極限まで研いだネタをここにかけます。

TVでネタ披露

一度TVでネタ披露したところで、誰も覚えてなんてくれません。スゴロクの振り出しに戻るのように、再び新ネタを考え、鉄板ネタを作り、TVオーディションからやり直します。
そして勝ち抜き、TVでネタ披露し、TVオーディションを受け・・を繰り返します。

それとは別で、特徴的なキャラ・システムのネタが上手くハマった場合、急にフォーカスを当ててもらえる場合もあります。
そのため普段からTVでのネタ披露を前提に、キャラ付けを行ったり、システム的なネタを作ったりする芸人も多いです。

TVの企画系・トーク系番組に呼ばれる

ネタ披露を複数回経て、ネタの特徴や顔が覚えられるようになると、企画系・トーク系番組に呼んでもらえます。

ここで死ぬほどがんばって結果を残すと、次回呼んでもらえたり、他番組に呼ばれたりします。

そこで1回1回結果を残す事で、呼ばれる番組数を増やしていき、ブレイクを目指します。

企画系・トーク系番組に頻繁に呼ばれるようになると、「売れた」といえるでしょう。
その頃にはその芸人の持っている「ネタ」や「エピソード」ではなく、「その芸人が出ている」事自体に価値があると判断されており、自分自身にブランドができているからです。

一気にステップを駆け上がって売れる方法 「賞レースを取る」

また、通常ブレイクまではこの①〜⑤ステップの繰り返しなのですが、これらのステップを一気にブチ破り、バンバンTVに出る方法があります。

それが「賞レースを取る」です。

賞レースを取った場合、これまでお呼びもかからなかった番組に呼んでもらえるようになります。①〜④のステップを一気にとばせるんですね。
そこでしっかり結果を残せば、残した分だけTV番組に呼んでもらえるようになります。

【TV番組に呼んでもらえる賞レース】
・M-1グランプリ
・キングオブコント
・R-1グランプリ
・THE W

その他歌ネタ王やNHK新人演芸大賞などありますが、全国ネットの番組に呼ばれるとなると上記ラインナップだと思われます。

まとめ

今回、「芸人として売れる可能性」というテーマで書かせていただいたため、具体的な数字などが出て、芸人への道を断つ事を勧めているような内容になってしましましたw

改めてになりますが、これはあくまでぼくの「吉本興業のNSCの同期」でお話ししております。

また今回、「売れている」のレベルをかなり上げています。全国的には知名度がそこまでなくても、月収20〜30万もらえてるレベルだともっともっと多くなります。
※恐らく上に上げてる同期は全員「売れている」に入るでしょう。たぶん。聞いた事ないすけど。

そのレベルには、早いと芸歴2〜3年目でたどり着きます。
そしてそこでお笑いだけをして、爪を研いで、チャンスを待つのです。

また、売れる可能性がないという事ではありません。
逆に言うと、必ず売れる芸人は存在するのです。

有名な話ですが、バイキングさんは全く売れず下積み時代が16年もありました。

くすぶっていていた頃、ボケとツッコミを逆にしたらバチハマりして、キングオブコント王者につながったというエピソードもあります。
あきらめずに自分の力を高め、毎日を積み重ねていくと、ほんの些細なきっかけで大化けする事もあるのです。

あきらめてしまったらそこまでですから、自分の笑いを信じる粘り強さも、売れる才能であると思います。

執筆:吉松ゴリラ

SHUプロモーション所属。宮崎大学大学院主席。もともとコンビで活動していたが、解散後ピンへ転身。「激レアさんを連れてきた。」「新春おもしろ荘」「ガキの使いやあらへんで!」「ウチのガヤがすみません!」など多数出演。