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よしもとの養成所、NSC(吉本総合芸能学院)ってどんなとこ?

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公開日:2019年8月18日 更新日:2021年1月5日

執筆:ざっきー

胸筋生まれ大腿筋育ち三度の飯よりポージングが好きなざっきーです。 新宿2丁目でモテそうだねってよくいわれます。最近の悩みは顔出しパネルに顔を入れると外れなくなることです。

お笑いの事務所と言われればまずパッと浮かぶのが「よしもと」ですよね。 これから芸人になりたい、お笑いに興味がある、という方はまずいろんな情報を求めてるはず。事務所に入るには養成所に行かなければいけないの?入るにはどれくらいお金が掛かるの?入ったらどんなことをするの?等々。 そんな若者達の為に、実際に東京NSC18期を卒業し、約3年間よしもとクリエイティブ・エージェンシーに在籍していた私が、よしもとの養成所(以下、NSC)がどんなところかを書いていこうと思います。



そもそもNSCとは?

NSCについて、なーんにも知らない。
Wikipediaで調べる前にこの記事を読んでるよ〜。
という方の為に最初にざっと簡単にご紹介。

NSC(New Star Creation)は、1982年に大阪校が設立され、後、1995年に東京校が設立されました。(現在では仙台、広島、沖縄、名古屋、福岡と地方にも開校されているようです。)


主な出身者はダウンタウン(大阪1期)、ナインティナイン(大阪9期)、ブラックマヨネーズ 、チュートリアル徳井(大阪13期)、品川庄司(東京1期)、ピース(東京5期)、オリエンタルラジオ(東京10期)等々……あげだしたらキリがない程スターを輩出しています。(輩出といっても売れたのは卒業してからの本人達の努力と実力ですが)
毎年、東京と大阪合わせて約1000人の芸人志望者がその門を叩きます。けれど今では少し人数が減ってきていると聞きました。

ちなみにお笑いコースのNSCとは別に、YCCという作家コースもありました。
しかし2019年からNSC(New School of Creativity)としてリニューアル統合され、その中の「お笑いコース」と「ビジネスコース」の2つのコースになりました。(なにが変わったかはわからない。たぶん気持ち。)

今回は、その中でも東京校のお笑いコースについて紹介していきます。

NSCに入るには!?

そもそも、よしもとに入るには養成所に行かなきゃダメなの?

よしもとでは、今基本的に一般から直接所属するためのオーディションを行なっておりません。
なので、所属するためにはNSCに入らなければならないわけです。


養成所というのは、そういうひとつのビジネスなのです。それを理解した上で、その学費40万円を、安いと思うか、高いと思うかはあなた次第ということですね。
しかし今、「基本的にはまず養成所に入らないと所属できない」という事務所は割と多いです。

NSC入学の手続き

じゃあNSCに入る為にはどうしたらいいんだ。右も左もわからない!という方の為に入学までの簡単な手順を書いておきますね。

1、まずは公式HPなどから願書を取り寄せて、郵送します。それと今はwebからでも願書を提出できるようですね。
2、その後選考料(5000円程)の振り込みを済ますと、メールかハガキで案内が届きます。
3、あとは簡単な説明と集団面接があるので神保町にあるNSC(下は、神保町花月という劇場になっています)に足を運びましょう。

面接と言っても簡単な質疑応答と自己PRのみ。ここでのネタ見せはありません。


まぁ、これは本当にコイツがヤバイやつかどうか見るだけなので普通にしてれば受かります。
昔もそうですが、今の時代、特にコンプライアンスが厳しくなっているのでNSC生といえどもヤバイやつをとるメリットは会社にはないわけですね。
あとは、遅刻せずにしっかり挨拶しとけば大丈夫です。

合格してから

合格通知が届き、入学金(学費込みで全部で40万円)を払えば無事NSC生です。

4月の入学まで待たずに、ひたすらネタを作っときましょう。入学してから相方を探す人も、どんなネタをしたいのかはっきりしていたら相手を探しやすいと思います。
東京では、エントリーすれば、フリー芸人など誰でも出れるライブもあるので、そちらに余裕があったら出てみるのもいいと思います。

NSC生になったら!

入学したらこんな感じ

NSCには先輩方がアシスタントという形でお手伝いに来ています。だいたいは前年卒業した1期上の先輩方です。
その先輩方やスタッフさんにまずはNSCのルールを叩き込まれます。


遅刻は厳禁。挨拶の仕方。無断欠席NG。など、最初にバシッとけっこう厳しくムチ打たれます。

でも最近は入学希望者が減ってきているので、途中で辞めてしまわない様に、昔よりかなりゆるくなっていると実際にNSCの社員の方が言ってました。もう昔と全然違うと。
まぁ、僕らの時も「昔はもっと厳しかった」と言われていたので、どの時代でも言われることなのかもしれません。けれども礼儀作法はしっかり叩き込まれると思います。当たり前のことなんですけどね。

余談ですが、NSCのルールの中に学内恋愛禁止というものがあります。しかもバレたら即刻クビ。
中にはいるんですよ、節操なく近いところの女芸人をあさりまくるやつとか。逆もしかり。
だからこういうルールができたんだと思いますが。
でもすごいピュアなやつもいて、僕の何期か上の人で、わざわざ事務所まで2人で行き「ぼくたち付き合うことになりました!」と手を繋いで報告した男女がいました。「お前らアホか」と言われ、その場でクビになったそうです(笑)堂々と行ってもダメなものはダメなようですね。


あと、NSCのある神保町内の飲食店に入ってはダメといるルールもあります。
これもアホなやつらがどこかの店で酔っ払って窓ガラス割った事があったからだそうです。
だから、僕らの時の授業終わりは、隣駅の九段下まで行くか、御茶ノ水の明治大学の中でこっそりとみんなでたむろしてました。

NSC生である間は誰からも全く信用されていないわけです。とにかく卒業してからもそうですが、人から信用されるようになるよう頑張りましょう。

授業の内容とスケジュール

入学したらいったい、どんな授業があるの?
と思いますよね。
僕が通っていた時とは講師も雰囲気も、若干の違いはあると思いますが大体のカリキュラムは変わらないはずなので、内容と簡単な1週間のスケジュールの例を書いていきますね。
(変わってしまってる部分はご愛嬌ということで!)

内容

・ネタ見せ
言わずもがな、これが一番大事な授業です。
講師の方は構成作家や放送作家の方々。


授業と言っても、ネタの作り方を一から教えてもらうわけではありません。そもそも教わることでもないです。
1組1〜2分のネタをして、ダメ出しをされ、授業の最後にどの組が良かったか等の総評。というのが大体の流れです。
もちろん、時間に限りがありますからネタ見せできるのは10〜20組程。
その順番は早い者勝ちです。なのでネタ見せの日は教室の前の階段に1時間前くらいには並んでる奴らがいます。

後期の9月あたりでA、B、Cクラスと実力でクラスが分けられていきます。講師ごとの選抜クラスなどもあります。

・発声
滑舌や基礎の発声。筋トレなどをやります。
別に意識していれば授業なんてやらなくてもできると思いますが、全く舞台経験のない人は大事な授業かもしれません。

・演技
演技を教えてもらえるようなものは一切なかったです。
やるのは基本、エチュード(即興)ばかり。
ここでも、いい演技ではなくて、面白いことやれる人が評価されます。

・ダンス
卒業公演でやるダンスを練習させられます。
一応NSCにも校歌のようなものがありまして、その曲にあわせてダンスをしてました。
上手い人は選抜され、卒業公演で踊ります


僕はこれが一番嫌いでした。真剣に踊っていたのに、下手なせいでふざけてる様に見られ、先輩にキレられたからです。バカ真面目に踊ってることを怒られるならまだしも。。。なんの学校だよ。

それと別で、ラッキィ池田先生という有名な振付師(妖怪ウォッチのようかい体操などを振付け)による「ラッキィダンス」という授業もあります。
最高にアホになる授業で、1時間テンション上げて動きっぱなし。体力的には一番ハードです。
ラッキィ池田先生は最高です。

・相方探しの会
授業ではないですが、相方がいない人の為の相方探しの会という時間があります。
ここで参加者は、街コンの如く、質疑応答などをして自分に合う相手を探すわけです。

・英語
数は少ないですが、英語の授業もありました。
グローバルな時代だからと、英語でネタを作り、発表するという内容。
たしかこれは必須授業ではなく選択授業だった気がします。

・カンフー
これは、本当にお笑いに必要なのか?と思う授業ですよね。
僕も正直全く記憶がありません。
講師の方の名前が「陳静 先生」とだけ書いてあったのでどんな老師が来るかと思ったら、すごい美人の熟女の方でドキドキしたのだけ覚えてます。
カタコトの日本語の美熟女に、手取り足取り教えてもらうカンフーの授業です。

・特別授業
時々、特別講師の方が来て座学のように話を聞いたり、ネタ見せする授業などもあります。有名な方が来ることが多いので、受けたい人は多いんじゃないかな。
僕らの時は木村祐一さんや、中田カウス師匠などの方々が来ていた記憶があります。
特別授業の時はアシスタントの先輩も、スタッフもピリピリしてます。「とにかくお前ら失礼な事すんじゃねえぞ」と念を押されまくります。

とまぁ、簡単にこんな授業があります。

時間やスケジュール

言い忘れてましたが、NSCの卒業までの期間は1年間です。1年間といっても卒業公演の準備などもあるのでちゃんと授業があるのは12月あたりまで。意外とあっという間。

一週間に2日〜3日授業がある日があり、1日に大体1コマか2コマです。

   

10〜11時 ネタ見せ
12〜13時 ダンス 演技
14〜15時 発声 特別授業
16〜17時 ネタ見せ
17〜18時 ネタ見せ
19〜20時

割り振りや授業時間は適当ですが、例でいうとこんな感じ。

教室が少なく、人数が多いので、一つのホールを時間ごとにクラスで入れ替わって使います。
なのでクラスによって曜日や開始時間などはバラバラ。

講師のスケジュールにも合わせるので、たまに講師に急な仕事が入り、前日にバラしになる時もあります。

養成所のメリット。他事務所と比べて

養成所のメリットは何と言っても、同期と出会えるところですね。
面白くなるためには面白い奴らと一緒にいるのが一番良いと思います。
そして、面白いやつの所には面白いやつらが集まってくると思うし。
そんでもって楽しいし。
まぁ、敵でもあるんですけどね。


NSCも他事務所の養成所も、やってる事はそこまで変わらないと思います。
雰囲気とか、ゆるさだったり、お金の部分は全然違うみたいです。
そこの比較はまたの機会に書こうと思います。

まとめ

曖昧な部分もありましたが、なんとなくNSCのイメージは湧きましたでしょうか。

これだけ説明しましたが、ひとつ言えることは、NSCに行ったらネタが書けるようになるとか、教えてもらえるとか、そういうことじゃないということです。
ただ、その場の環境に身を置いて、自分と他人を比べたり、比べられたりしていく中で変わってくるものはあると思います。
NSCの中の評価も外に出たら全然関係ないですし、やりたいことをやればいいと思います。

本当に面白いやつは、絶対売れる。そうでないやつらも売れる事があるからわからなくなってるけど。と昔誰かが言ってました。
そして芸人はみんな、敵だけど心のどっかで、本当に面白いやつは売れて欲しいと思ってるはずです。

だから、そんなやつらが世の中に埋もれない為にも、参考にしてくれればと思います。

執筆:ざっきー

胸筋生まれ大腿筋育ち三度の飯よりポージングが好きなざっきーです。 新宿2丁目でモテそうだねってよくいわれます。最近の悩みは顔出しパネルに顔を入れると外れなくなることです。